最近は「学力の経済学」という本を読んでいます。
たくさんの論文や書籍などのエビデンスを元に、どのように教育をしていくべきか、どのような教育になっていくべきかが書いてあり、エビデンスがあるからこそ納得して読み進めることができています。
その中で教育はどの段階で投資するのが良いのかという項目があります。
一年間追加で教育を受けたことによってこどもの将来の収入がどれくらい高くなるかを「教育の収益率」として数字で表しています。
結果として、子どもが小学校に入る前の就学前教育が一番収益率が高いというデータを出しました。つまり、就学前教育を受けた子の方が将来の収入が高いことをデータとして出したのです。
ここで僕が面白いなと感じたのは、就学前教育によって上がる学力が収入に結びついていないことです。
就学前教育で上がる学力というものはとても短期的なものであるというのです。
それにも関わらず、収入が高いのはなぜか。
それは学力テスト等では出すことのできない非認知能力が高まるからであると述べています。
非認知能力とは忍耐力や社交性といった人間の気質や性格の特徴のことを指します。
なぜ就学前教育だと非認知能力が身につくのか、僕は考えました。
普段会わないような人と関わることになるからではないかと私は思いました。
塾へ行けば、自分とは歳の離れた小学生や塾の先生、習い事に行けば、それに没頭している人、そのコーチだっています。その見慣れない場所で自分がどうしなきゃいけないかを子どもは勝手に考えているのではないかと思います。多種多様な人との触れ合いを通して、非認知能力は上がっているのではないかな、と。
そうだとするのならば学校も多種多様な人と触れ合う、話し合う場でなければならないと思います。就学前教育を全ての子どもが受けられるわけではありません。
非認知能力はすぐ身につくわけではないと書いてあります。
長い期間をかけて醸成されていくものであると。
『学び合い』は非認知能力の育成にぴったりなのでは?と思います。
僕が小学校教員になり、一年生を受け持ったとしても『学び合い』をしていきたいと改めて思いました。騒いだり、時には目標から外れることもあるでしょう。
でも、その授業で失敗しても、子ども達の一生涯という長いスパンで見た時、それは成功なのではないかな。とか思ったり。